対岸の火事 2013 7 6

 アメリカは、シェール革命によって、
将来、天然ガスや石油の輸出国になるでしょう。
 だから、アメリカにとって、
「中東は必要か」という議論も出てくるでしょう。
 そういうわけで、たとえ中東が大混乱になっても、
アメリカにすれば、「対岸の火事」です。
 おそらく、ケリー国務長官は、ヨットに乗って、
「対岸の火事」を眺めていたのでしょう。
 2013年7月6日の時事通信社には、このようなニュースがありました。
「クーデター時にヨット 『短時間』と弁明、ケリー国務長官」
【ワシントン時事】エジプトで「事実上のクーデター」が進行していた、
アメリカ東部時間の3日午後、
ケリー国務長官が地元マサチューセッツ州沖のナンタケット島付近で、
ヨットを楽しんでいたことが分かった。
5日のワシントン・ポスト紙(電子版)などが伝えた。
(引用、以上)
 念のため、注意しておきますが、
日本にとっては、中東の大混乱は、対岸の火事ではありません。
 日本の場合は、中東から、
大量の石油と天然ガスを輸入しているからです。
 だから、のん気にしている場合ではありませんが、
日本の政治家たちには、全く危機感がありません。
 これでは、国際的には政治家として認められないでしょう。
だから、肩書きは国会議員と言っても、
実質は、地方議員レベルであり、
国際会議では、「早く会議が終わって欲しい」と願っているレベルでしょう。
 本来であれば、
「アメリカに代わって、日本が中東の混乱を収める」という意気込みを示してほしいところです。
なぜならば、中東が大混乱になって、一番損をするのは、日本だからです。

岐路に立つ日本 2013 6 23

書名 2020年石油超大国になるアメリカ
    追い詰められる中国、決断を迫られる日本
著者 日高 義樹  ダイヤモンド社

 シェール革命(シェールオイル)によって、
アメリカは、石油輸入国から石油大国になるでしょう。
 石油や天然ガスの輸出国になったアメリカは、
長年の持病である「双子の赤字」を解消するかもしれません。
アメリカにとって、バラ色の未来があるかもしれません。
 しかし、これは、日本にとって、
ある意味で、危機を招くかもしれません。
 アメリカが、石油輸出国になるということは、
アメリカは、中東の石油に依存しなくなるということです。
 そうなると、巨額の税金を使って、
アメリカ第5艦隊をペルシャ湾に駐留させておく必要はないでしょう。
 将来、アメリカから、
「ペルシャ湾は、日本が自力で守れ」と言われる日が来るかもしれません。
 親米派の政治家は、「日米軍事同盟があるから大丈夫だ」と思うかもしれませんが、
そういう理由で、アメリカの納税者を納得させることができるでしょうか。
 さて、政治的に不安定な中東をあきらめて、
日本は、アメリカから石油や天然ガスを輸入するという方法もあるでしょう。
 しかし、それでは、アメリカに安全保障を依存する日本が、
石油や天然ガスまで依存するとなると、
アメリカ合衆国の51番目の州に近づくでしょう。
 安全保障どころか、エネルギーまでも「アメリカ依存」となると、
「日本は51番目の州」と言っても過言ではありません。
 実は、数十年前に、日本には似たような状況があったのです。
それが、中東の石油危機でした。
その当時、「中東から石油が一滴も来なくなる」と大騒ぎになったものでした。
だからこそ、日本政府は、原子力発電所という選択肢を取ったのです。
 しかし、フランスと違って、
日本政府は、原子力発電所の戦略的な必要性を、
よく国民に説明しないまま、
原子力発電所の設置を推進したので、
国民の間には不信感が残りました。
 フランスの現実主義によれば、
「人間のやることには、事故ゼロはありえない」として、
常に、原発事故が起きた場合の対応を考えてきたのです。
 一方、日本においては、
原発事故はありえないという「原発神話」に陥ってしまいました。
 これでは、原発事故が起きた場合、
フランスと日本では、結果において、大きな違いが出ると思います。
 岐路に立つ日本。
日本は、アメリカ合衆国の51番目の州になるのか。
それとも、中国の属国となって生きるのか。
あるいは、フランスのように自主独立路線を行くのか。
(フランスは核武装した上に、原発大国です)

































































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